建築学科は忙しい?現役建築家が建築学科の忙しさを語ります

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現在進路に悩んでいる高校生の皆さん、建築学科を選択しようとしていますが、このような噂をよく聞きませんか?「建築学科ってすごい忙しいらしいよ」

さて、この記事では実際に建築学科を卒業した私が、建築学科の生活をまとめていきたいと思います。

建築学科は忙しい?-1年生-

まずは建築学科の一年生からまとめていきたいと思います。おおよそ大体の大学でのカリキュラムが一緒であると考えると、建築学科の一年生は、ほぼほぼ建築に触れる機会はありません。もしかしたら、建築学概論のようなもの、建築学科の導入があるかもしれませんが、その他は、一般教養という授業を受けることになるかと思います。微分積分や物理学、英語や、都市学など、物事を考える基礎のようなことを幅広く学ばせる傾向にあります。まだ建築的な専門の授業はありませんが、多くの授業を受けなくてはなりませんので、授業は朝から夕方まで受けることが多いかと思います。これは、他学科でも同じと言えます。

建築学科は忙しい?-2年生-

さて、晴れて二年生になれましたらいよいよ専門的な授業がスタートします。建築構造力学や建築環境学などの建築に関わる工学的な分野の勉強も始まりますが、一番大変なのは、建築設計製図の授業です。建築設計製図とは、建築の図面の書き方や、設計の仕方を学んでいく授業になります。この授業ですが、毎週課題が出ます。見本の図面を渡され、平面図、断面図、立面図を書いてくるという課題や図面に実際に着彩をして、表現方法を学ばせる課題などがあります。この課題ですが、頭を使って効率的にやれば早く終わる、、というものではなく、最初のうちはただひたすら作業の時間が必要な課題です。大学にもよりますが、国立大学では、製図室に自分の製図台が割り当てられ、そこで友達と一緒に課題を進めることが多くなりますので、他の学科よりかは、建築学科は男女関係なく仲が良いと言われることが多いです。

2年生で注意したい点は、設計製図が始まり、とんでもなく忙しいのに加えて、まだ一般教養の授業を取る必要があることです。朝から夕方までは大学の授業、課題の作業にあてる時間は夕方以降になります。この頃から課題が終わらずに学校に泊まり込む人などもちらほら、、。

建築学科は忙しい?-3年生-

3年生になると、一般教養の授業も取り終え、いよいよ専門科目一本になるかと思います。建築の専門科目の授業を受けつつ、設計製図をするという生活です。
大学3年生の建築設計製図は、建築を具体的に設計していくプロセスを学びます。例えば、住宅の課題であれば、みんなそれぞれが思う住宅を構想し、模型を作り、図面を書いて、一週間に二回の授業で先生に見てもらいます。そこでもらったアドバイスをもとに案をブラッシュアップし、また授業で先生に見てもらう、、の繰り返しです。最後はプレゼンテーションを作成し、みんなの前で発表し、先生にコメントをもらうというのが、授業の流れです。確かに、週二回のペースで先生に見せなければいけませんし、それなりの作業時間が必要になってきます。徹夜で作業をする方もいます。ですが、ただひたすらに図面を書く2年生の時とは違い、「次はここまでやって先生に見てもらおう」など、自分で作業の計画を行える分、上手く作戦を立てることができれば、自分の時間を取ることも可能です。
ここで一つ言っておきたいことは、建築学科が忙しい!というよりかは、建築設計製図が忙しいということです。3年生の前期までは、建築設計製図が必修であることが多いですが、後期は任意となりますので、無理に取らなくてもいいのです。建築設計製図を取らなければ、他の理系学部と同程度の忙しさになり、自分の時間を程よく取ることが可能です。

建築学科は忙しい?-4年生-

4年生になると、自分が進みたい分野の研究室を選択し、所属することになります。研究室では、教授の研究のお手伝いや、実務的なことを学ぶ機会が多くなります。また、卒業論文や、卒業設計に向けて自分の興味あることを設定し、教授にアドバイスをもらいながら独自の研究や設計を進めることになります。研究室にもよりますが、週に一度ゼミというものが研究室内で開かれ、研究の進度を皆の前で報告し、アドバイスをもらう、、ということをします。
授業はほぼほぼ取り終えている頃だと思いますので、もしかすると4年生が一番自分の時間が多いかもしれません。バイトをしつつ、週に数回学校に来る程度で済んでしまいます。

建築学科は忙しい?大学院には進学するべき?

そして最後は、就職をするのか、進学をするのかですね。大学にもよりますが、建築学科の7割程度の人たちが進学を選択して、大学院に進みます。みなさんいろいろな理由があるかと思いますが、就職には大学院卒がかなり有利でもありますので、そのために進学する人がほとんどだと思います。大学院を出ている人と、出ていない人の一番の違いは、チームプレイに慣れているかどうかだと思います。もちろん、4年で卒業した人の中でも、チームプレイができる人もいますが、大学院では、プラス2年研究室に所属し、研究室のメンバーでプロジェクトを進めたり、ディスカッションをする機会が増えるため、社会に出た時に必要とされる能力を培うことが可能です。

忙しさ的には、大学四年生の延長線上という感じですが、やっている内容はより実践的になります。建築学科をトータル6年間と考えると、一番時間があるのは、大学院1年生かと思います。

建築学科は忙しい?まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、建築学科の忙しさについてまとめてみました。前の項でもまとめましたが、建築学科が忙しいというよりは、設計製図が忙しいのです。模型を作るのも図面を書くのも、案を考えるのも、かなりの時間が必要となります。忙しさがピークの時期はバイトをする時間も無かったかと思います。

ですが、そのようにして考えて作った自分の作品は我が子のように可愛いものです、、。
達成感も素晴らしいものがありますし、自分が1からものを作り、さらにそれをプレゼンテーションをするところまで行いますので、どのような職種についても役に立つような能力を培うことができます。よく言うのは、「建築学科を卒業すれば、何にでもなれる」と言う言葉です。それだけ、建築学科で身につけられる能力は全ての分野に精通するものだと言えるのです。

大変ですが、せっかくやるなら妥協せずに自分の時間を思いっきり一つのことに打ち込んでみるのもいいかもしれませんね。
今度は、実際に私がどんな生活をしていたかなどを具体的に書けたらなと思います。
最後までご閲覧いただきありがとうございました。

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